目指せ!ふぐと学ぶ海洋環境の英才教育

Oyako de 海の教室

2022年7月に室津海岸で行われた海の教室には、約60名の親子が集まりました。水産大学校の酒井先生によるふぐの教室は、子供でもわかりやすくふぐの生体や習性を説明。海の環境が変わって魚が北上している話など、ふぐと一緒に海洋環境を学ぶ時間となりました。2時間目は、世界中の海を潜っているフリーダイバーの二木あいさんによる授業。素潜りで3つのギネス記録を持つ二木あいさんは、潜った時に沢山の生き物が近くに来てくれるというピュアな心の持ち主で、人間と海の生き物をつないでくれます。海の中の出来事を地上でも多くの人に伝える使命を感じる二木あいさんは、生き物との写真や映像を撮影して世界中で海のお話をしています。海が大好きな下関の前田市長もパネルディスカッションに加わり、神秘的な海の生き物や、海の環境のお話に、子供たちだけでなく大人も目を輝かせていました。

お昼は、サバフグパエリア。パエリアの本場スペインで行われる世界パエリア大会で入賞した小林シェフが東京から来関し、サバフグを使った本格的なパエリアをビーチで調理。フグのだしもしっかり入ったパエリアに、最後は子供達がサバフグの身を散らして飾りつけをして、大きなパエリアの完成。ふぐ刺しやフグ鍋とはちょっと違った洋風のフグの料理を美味しく楽しみました。

海の教室、最後の授業は、海岸を探検してそれぞれが100年後の下関の海を思う作品づくり。海やふぐのお話を聞いた後、海岸を歩いて色々な発見をして、100年後の下関の海を想う絵本の1ページをそれぞれが描く授業。絵を描く子供達、詩を書くお母さんなど、各々が海とのつながりを感じて、海や海の生き物に思いを馳せる作品が出来上がりました。海を考えるワークショップは今後も企画していき、下関の皆さんそれぞれが、地元の海を思う作品はこちらにどんどん貯蔵していきます。

下関の海中VR 「海感360°」

水族表現家の二木あいさんが下関北浦の海の中を案内するVR「海感360°」を制作し、子供から大人まで幅広い年齢層の海の教室で活用しています。このVR映像は、フリーダイバーの二木あいさんが実際に海の中から案内してくれるナレーション付きで、生物多様性と五感や感性の研究を進めるKANSEI Projects Committee (KPC)の研究チームが企画・制作を担当。海の中に潜らなくても地元の海中を探索できるようになっています。

2023年3月には下関ひがしこども園で、このVRを使った海の授業を開催。海の中の臨場感を高めるためにタライに地元の海岸の砂と海水を入れて、足をつけながらVR映像を体験した園児の中には、本当に海の中にいるかのようにバタ足で泳ぎだす子供もいました。安全に海を擬似体験できる教育ツールとして、今後も様々なワークショップで使用していきます。

下関市の大学連携

フグレボ演習 2023

下関市には大学が多いのも特徴の一つ。下関で在学中の大学生にふぐの文化に触れるだけでなく、ふぐと一緒に学ぶ海洋教育を開発していこうと複数の大学と連携を始めました。水産大学校の酒井先生には、ふぐの教室の講師をお願いしていますが、水産大学の学生さんたちもボランティアベースでプロジェクトに参画表明。今後は、大学生もふぐの教室を実施していけるようにプログラムを準備しています。

下関短期大学教育学部では保育科の学生さんと教材開発を開始。課外授業としてふぐのことを多方面から学び、保育園・幼稚園での実習でふぐと学ぶ海の教室を実施していきます。下関のふぐ文化を通して、あらゆる年代が海について知る学びの循環を作る。私たちはふぐを通して学ぶ海洋環境の英才教育を目指しています。